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認知症について知りたい
認知症Q&A
 認知症に関する様々な質問にお答えします。
Q1.認知症ってアルツハイマー病とは違うの?
Q2.最近、物忘れがあるけど認知症かしら?
Q3.痴呆と認知症とは違うの?
Q4.認知症は治らないのですか?
Q5.認知症にならないためにはどうしたらいいのかしら?
Q6.年のせいといって病院にいかないのですが、どうしたらいいかしら?
Q7.認知症の症状はたくさんあって、よくわかりません。
Q8.認知症になったら入院しなくてはならないのですか?
Q9.薬がかわったら認知症のようになったのですが…
Q10.どのように介護していいかわかりません。
Q11.誰に相談したらいいのですか?
Q12.認知症と間違われる病気は?
Q13.外来で相談するときのこつは?

Q1. 認知症ってアルツハイマー病とは違うの?

 アルツハイマー病、アルツハイマー型認知症、アルツハイマー型老年痴呆など様々な名前がありますが、認知症は、それらの総称といってもいいでしょう。
 物忘れ(記銘力障害)を中心とした記憶や判断力などの障害がおき、脳や体の疾患を原因として、日常生活まで支障をきたすようになった状態を認知症です。
 その原因や病態によって、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、などという病名になります。
アルツハイマー病は、認知症の一疾患です。

Q2.最近、物忘れがあるけど認知症かしら?

 年をとると物忘れが多くなりますね。
 では、その物忘れは認知症の症状なのでしょうか?
 物忘れには、良性の物忘れ(年齢による物忘れ)と、病的な物忘れ(認知症の物忘れ)があります。
 良性の物忘れは、体験の一部分を忘れる(昨日の夕飯の内容が思い出せない)、ヒントを与えられると思い出せる。時間や場所など見当がつく。
日常生活に支障はない、もの忘れに対して自覚があるなどの特徴があります。
 それに対して、病的な物忘れは、体験全体を忘れる(食事をしたことを覚えていない)、新しい出来事を記憶できない、ヒントを与えられても思い出せない。時間や場所などの見当がつかない。日常生活に支障がある。そして、もの忘れに対して自覚がないなどの違いがあります。
 認知症の初期では物忘れの自覚がある方もいらっしゃいます。しかし、財布や通帳などの大切なものをなくすことが度々あるならば、病的な物忘れの可能性があります。


Q3.痴呆と認知症とは違うの?

 最近、認知症という言葉が多く聞かれ、痴呆という言葉が聞かれなくなりました。
「痴呆」という言葉には「侮蔑的な意味合い」が含まれているという一般社会の認識より、
平成16年12月24日、厚生労働省より「痴呆」の行政用語の改正の通達がありました。
「痴呆」 を「認知症」と言い換えることになったのです。
たとえば 痴呆性高齢者 → 認知症高齢者
       痴呆の状態にある高齢者 → 認知症の高齢者
       痴呆性高齢者グループホーム → 認知症高齢者グループホーム
  しかし、法律用語や医学用語の変更はまだ行われていません。
医学の間でも、各学会で、言い換えの方向は進んでいるようですが、まだ混在しています。
病名で「痴呆」がついているのは、保険病名としても変更が行われていないからです。


Q4.認知症は治らないのですか?


 アルツハイマー型認知症の原因解明は進んではいますが、根本的な治療までは至っていません。変性疾患といわれているアルツハイマー型認知症のほか、前頭―側頭型認知症、レビー小体型認知症なども同様です。現在は、進行を遅らせる治療が中心です。現在ワクチン療法など、根本的な治療に近い治療法が研究されています。脳血管性認知症については、血管障害の進行を予防する治療が行われています。正常圧水頭症など、脳外科的な治療で治る病気もあります。また、身体疾患によって引き起こされる認知症(ビタミン欠乏型、肝臓病、低血糖などなど)は、身体疾患の治療とともに改善されることが期待されます。


Q5.認知症にならないためにはどうしたらいいのかしら?

 アルツハイマー型認知症に関しては、未だ原因解明されていないので、完全な予防法はお示しできないのです。
 現在、危険因子といわれているもので、予防不可能なものとして、加齢、家族歴、遺伝因子(アミロイド前駆体蛋白遺伝子、アポリポタンパクE遺伝子)、頭部外傷などがあります。そして、予防可能な危険因子として、高血圧、動脈硬化、糖尿病、高脂血症、甲状腺機能低下症などがあります。また、喫煙も危険因子としてあげられています。今、私たちができる予防としては、生活習慣病の予防ということになります。
 そして、とくに高齢になってからは、ソーシャルネットワーク、知的活動、運動が予防因子として注目されています。ひとりにならず、自宅にこもらず、周囲の方と会話しながら、自分らしい知的活動を続けることが、認知症発症予防になると考えられています。


Q6.年のせいといって病院にいかないのですが、どうしたらいいかしら?


 認知症を心配するのは、ご本人以外に、家族や周囲の方が多いと思います。時に、ご本人は病院に行くのはためらわれることがあります。また、ご家族も年のせいだからといって、病院に行かせようとしない。そんなときに周りの方からアドバイスを・・・
  まず、心臓などの病気と同じ、認知症は病気であることを伝えてください。病気を診断して、治療するのは病院ですから、一度病院に受診してみてください。
 初期には症状を軽くする薬があります。早めの受診がいいのです。
また、認知症と似た症状が、身体疾患の合併時に認められることがあります。体の病を見つけるきっかけにもなります。
 そして、認知症の疾患によって経過がちがうので、今後を考えるのにも受診は必要です。
それでも、なかなか病院につながらないときは、病院の医師、相談員、介護担当のケアマネージャーさんに相談してください。


Q7.認知症の症状はたくさんあって、よくわかりません。

 基本の症状と、その周辺の症状と分けて考えるとわかりやすいかもしれません。
中核症状(記憶障害、見当識障害、実行機能障害、失語、失行、失認)は程度の差はあれ、すべての患者さんにみられる症状です。疾患の進行とともに悪化します。神経細胞の脱落にともなう能力の喪失が症状として現れます。
 周辺症状(精神症状、行動障害)は、妄想、幻覚、睡眠覚醒リズム障害、すなわち不眠や日中の眠気、食行動異常、徘徊、暴言・暴力・攻撃性、介護への抵抗、不安・焦燥感、抑うつなどがあります。これらの症状は、みられない患者さんもいます。疾患の重症度(進行)とは比例しない、ある一時期だけに認められる症状です。この症状は、残存する神経細胞が障害に対する反応を呈していると考えられています。


Q8.認知症になったら入院しなくてはならないのですか?


 認知症は病気ですが、他の病気と同じです。サポートがあれば在宅療養ができます。
では、どんな時に入院が必要なのでしょうか?
 認知症の病院・病棟として、「認知症疾患治療病棟」がありますが、そこでは、精神症状・行動異常の治療にあたっています。たとえば、激しい興奮や徘徊による体力消耗、周囲に対して攻撃性がある。拒絶が強く薬や食事がとれない。夜間せんもう、幻覚、妄想、性的異常行動などの精神症状が強い場合に治療を行います。ご本人の疲労が激しい場合、そして、介護者の疲労が強い場合も入院の適応になります。薬物療法・心理療法・リハビリテーションなどを行います。入院生活にて昼夜のリズムをつけることや、介護者の疲労快復を図り、介護者とよい関係性を保つことも治療の目的となります。


Q9.薬がかわったら認知症のようになったのですが…

 高齢になると、いままで飲んでいた睡眠薬でも、認知症のような症状をひきこすことがあります。とくに体調の悪いときは、症状が出現しやすいようです。その薬は、睡眠薬、安定剤や、パーキンソン病治療薬、風邪薬、鼻炎・アレルギーの薬など様々です。喘息の薬でも症状がでることもあります。ほとんどの場合は中止すると改善される場合が多いのです。しかし、病気の治療薬として処方されるていることが多いので、主治医の先生とよく相談してください。変化があったら早めに相談しましょう。


Q10.どのように介護していいかわかりません。

症状は、多彩です。そして、変化していきます。介護の方は、24時間365日ずっと心配ですね。認知症の「ケアの基本」を参考に介護していただきたいのですが、それでも、困ったときは、まず担当のケアマネージャーさんに相談してください。また、主治医や認知症専門病院の医師や看護師さん、相談員・ソーシャルワーカーも相談にのってくれます地域の在宅支援センター、包括支援センターも窓口になります。地域の家族会もあります。決して独りで悩まずに、同じような悩みや経験をもっている職員や家族に相談してください。介護の悩みは、自宅でも、施設でも、そして病院でも同じように悩んでいますから。


Q11.誰に相談したらいいのですか?

 まず、かかりつけの主治医の先生に相談してください。認知症かどうかの簡単な質問や診察をします。そこで、さらに検査などが必要の場合は、適切な病院を紹介してくれます。
 また、介護のことなどについては、担当のケアマネージャーさんに相談してください。また、地域の介護支援センターや包括支援センターも窓口になります。八王子医師会でも、受診などの相談窓口を設置する予定です。認知症専門の病院でも、相談員が相談に応じます。認知症のことで迷ったら、かかりつけの先生に声をかけてください。


Q12.認知症と間違われる病気は?

 認知症とおなじような症状になる病態としては、意識レベルが下がったような時です。寝ぼけたような、ぼーっとしている状態から、適切な行動が取れなかったり、覚えていなかったりするのです。意識が悪くなる状態は様々ですが、高熱があったり、体の病気が悪くなったりすると出現します。とくに高齢者は、脱水だけでも同じような症状になることがあります。脳血管障害の出現時も意識レベルが下がることがあります。また睡眠薬やや安定剤などでも同じような症状になります。
突然認知症の症状がでたら、まず、なにか体の病気を疑います。早めに受診するようにしてください。


Q13.外来で相談するときのこつは?

 患者さんからの情報は『認知症』を診断するときの重要な目安になります。また、ご家族にも症状や気づいた時期などをうかがいます。これらの情報は診断に役立つだけでなく、介護の上でも大変参考になります。突然聞かれると答えられないこともありますから、診察前に整理しておくといいでしょう。 

よく質問されること・・・
いつごろから、どのようにして症状が出てきたのか?
現在はどのような症状があって、どのような症状で困っているのか?
日常生活でできなくなったことはなにか?
今までにかかったことのある病気は?
治療を受けている病気と薬について (薬の説明書や薬の包装ごと持っていく)
今一番大変なことは何ですか?







ご家族の方へ。

認知症の患者さんは、ご家族以外の方にはよそ行きの顔を見せることが多いようです。ご家族でしかわからない症状も多いと思われますので、先生には日頃の様子をしっかりとお伝えください。ご本人を前にして言いにくいことがあると思います。診察前に日ごろの様子を書いたメモを渡したり、診察のとき、ご本人とは別な時間をもってもらうこともいいでしょう。受診の時に、病院スタッフ(看護や事務)に相談してみてください。

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